野茂英雄

スポーツ コラム

プロ野球がMLBを真似る必要があるのか

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日本という国は、昔から良い物を積極的に取り入れ、それを更に改善し、より良いものに作り変えることを得意としてきました。

中国や東南アジアでは、単に先進国が作ったものをコピーし販売するのですが、品質はいまいちで、安かろう悪かろうという物ばかりですので、オリジナルを作っている先進国にはそれほどの脅威とは言えないのかもしれません。

しかし、日本はそのオリジナルの商品や技術を「自分だったらもっと良い物が作れる」と更にクオリティーの良い物を作り出してしまうので、厄介な存在といえるでしょう。

しかし、その様な改善する事が非常に得意な日本人は欧米文化に関してはコンプレックスをもっているのか、改善どころか劣っていると分かっていてもそれを正しいものとして使い続けるのです。

 

日本の投手がメジャーで通用する理由

日本のプロ野球はアメリカでは3Aレベルという認識はアメリカでは一般的なのですが、本当にそうでしょうか。

比べることが非常に難しいのは、日本のプロ野球チームがアメリカで1シーズンを通して戦ったことが無いからで、総合力として考えれば本当に3Aレベルなのか懐疑的です。

大リーグで活躍する日本人選手がこぞって、「こっちの選手は100マイル(160km/h)の球を普通に投げてくる」と言うのですが、そんな選手が本当にいるでしょうか。

データを見ても、100マイルの最高球速で投げるピッチャーなど数えるほどしかいませんし、ツーシーム系の揺れる球筋が良いとされているMLBにおいて、最高球速を重視しているとは思えません。

元読売巨人軍の桑田真澄さんは、「球速は何の意味もない、重要なのはコントロールと球の回転数」と言い切っているように、速い球を投げれば打者を打ち取れるものではないのです。

上原浩治

ボストン・レッドソックスの上原浩治投手は140km/hそこそこのストレートで三振の山を築いているのですが、これは正確なコントロール、球の回転数が多く他投手より落ちない、という事が大きな理由で、メジャーの投手は3ボールからスプリット系の変化球を投げないのは、単にコントロールが悪いからです。

3ボールからフォークボールを投げる日本人投手は特異な存在で、それが野茂英雄氏の成功に繋がったともいえます。

 

守備は日本の方が圧倒的にうまい

メジャーリーグの選手は練習のほとんどをバッティングに使っていて、守備の割合はほとんどありません。

日本では監督やコーチが出来て当たり前のノックはできず、ピッチングマシーンを使って毎回同じ場所に、同じ角度で飛ばしてキャッチするという練習です。

さらに連携プレーの練習は一切行わないというのが普通のことで、大体の感覚で守備をしていることがほとんどです。

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日本では守備練習にかなりの時間を使い、連携プレーの確認も綿密に行いますので、この点ではメジャーの選手よりも優れていると言ってよいでしょう。

 

パワーの差は歴然

日本の選手がどこまで行ってもかなわないのがパワーですが、三冠王を三度獲った落合博満氏のバッティングを見れば技術でホームランは打てるという事がわかります。

力任せにバットを振るよりも、ボールに角度を与えればホームランは打てるという事を彼の打撃理論をみれば分かることでしょう。

パワーヒッター

場外ホームランがもしソロホームランでも3点入るルールであれば、メジャーにはかなわないのですが、フェンス際のホームランでも同じ1点ですので、それほどパワー重視にしても無意味です。

細かい技術というのは日本のほうが優っているのですが、未だにダウンスイングで振れと根拠の無い指導をしたり、最短距離でバットを出せという抽象的な事しか言えない指導者が日本に多いという現実から見て、技術でメジャーとの差をひっくり返すことは難しいでしょう。

 

それでもメジャーの真似をしたがるプロ野球

冒頭で言った通り、日本のメジャーコンプレックスはひどいもので、劣っていると分かっていても追随せざるを得ないのです。

例を挙げれば

・ボールは品質が悪いアメリカ製の物を使う

アメリカのボールは縫い目が均一でなかったり、一回の打撃で変形したりと非常に品質が悪いのですが、それを使う理由は何でしょうか。

WBCでの統一球として決定しているので使うのでしょうか。

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硬式野球経験者ならひと目でわかると思いますが、縫い目が高いと写真を見るだけで分かり、それに形がすこしいびつな印象を受けるでしょう。

この様な品質が悪い物をわざわざ使っているのは、アメリカMLBの政治力に負けているだけです。

良い品質での標準化をすれば良いだけなのに、アメリカの低品質のボールを使わないといけない。これは間違いなく政治力に屈しているのです。

 

・喜ぶ姿は相手に失礼

ホームランを打って喜んだり、三振をとって喜んだりすると、報復行為として相手チームの主力等にデッドボールを与えるのですが、これは「相手の選手にリスペクトがない」という理由からです。

報復死球

プロでやっている以上、報復(リベンジ)はプレーで返すべきです。ホームランを打たれて喜んで悔しいのであれば、次の打席で打ちとれば良いのです。

悔しいから相手にぶつけるなど、そちらの方が相手にリスペクトがありませんし、子供の喧嘩と同じでしょう。しかし、これを日本のプロ野球を真似しています。悔しかったらプレーで返すべきです。

 

・コリジョンルールでキャッチャーを守る

キャッチャーに対し、ランナーのタックルが危険という理由で問題になり、コリジョンルールが作られたのですが、そもそもの理由を考えなくてはいけません。

キャッチャーは、ランナーがホームに突入する時に、ホームベースが見える様にしなくてはいけないのがこれまでのルールで、ランナーは、ホームベースが見えている以上、キャッチャーにタックルをすることを禁止しています。

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しかし、最近のキャッチャーは、完全にランナーからホームベースが見えないようにブロックしており、この様なブロックをしたらランナーはタックルをしようが、スパイクをしようが、キャッチャーは文句を言えないルールです。

キャッチャーのブロックに問題があるのにもかかわらず、キャッチャーを守るためという理由でコリジョンルールが出来たのですが、審判がきちんと見てジャッジすればこんな問題は起こらなかったはずです。

 

・先発投手のローテーション

MLBの先発投手のローテーションは、中4日で、球数を100球に制限している場合が多いのですが、これが有効と言えるでしょうか。

テキサス・レンジャーズに所属するダルビッシュ有投手は

「中4日は絶対に短い。球数はほとんど関係ないです。120球、140球を投げても、中6日あれば靱帯の炎症も全部クリーンにとれる」

発言しており、投手の立場からの感想でも日本の中6日が理想的と発言しており、MLBにおいて中4日のローテーションを守れる投手は全体の半分以下というのも中4日が投手にとって負担が多きい根拠と言えるでしょう。

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しかし、中にはもっと早い登板間隔が良いという投手もいますので、この部分をフレキシブルにできれば投手の故障者は減るでしょう。

この問題に関して、日本のプロ野球はMLBの真似をしないのは喜ばしいことですが、この先どうなるかわかりませんね。

 

参考にすべきものもある

MLBで2016年シーズンから導入された、併殺崩しに対応する新ルールが日本でも導入されることになりました。

これは非常に良いもので、ショートの選手は一塁に対して無防備な状態で送球しなくてはならないのですが、そこにランナーが妨害を目的としたスライディングをしてくるというのは非常に危険です。

併殺崩し

何より、それが一般化してしまって、その様な美しくないプレーが常習化してしまっており、それをしなければいけないという風潮が蔓延しているというのは残念なことです。

これが高校野球をはじめとするアマチュア野球にまで広まってしまったら、誰もショートなどやりたくないでしょう。

この様な点に関しては積極的に取り入れるべきですね。

 

日本の野球はパワーでは劣っているかもしれませんが、総合力で劣っていると思いません。

その証拠に日米野球を見てもそれほど圧倒的な差で負けているわけではありませんし、WBCに至ってはアメリカは優勝すらできていません。

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WBCに力を入れていないとか敗戦の弁を語りたがるのですが、それを負け犬の遠吠えと言ってやることが必要で、トップ選手を出さないことで、負けた時の言い訳ができないからと言ってやれば良いのです。

もし本当にMLBの選手が世界一つよいのであればWBCでそれを証明できるでしょう。しかし、戦わずしてその称号を手に入れることは出来ないということを分からせてやり、WBCの場に引きずり出してやるという気概が必要で、それができるのは日本のプロ野球以外無いのです。

いつまでもMLBの後追いをしているようでは、MLBの二軍扱いをされても仕方のない事で、これからもどんどん日本の有能な選手がアメリカに渡ってしまうでしょう。

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