ホンダF1の異常なまでの遅さは企業イメージに打撃

 

2016年F1日本GP決勝で、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは16位と順当とも言える遅さを見せつけてくれているのですが、今のF1ファンにこの話をしても誰も信じてはくれないでしょう。

1988年のF1において、マクラーレンホンダは16戦15勝という圧倒的な勝ちを積み上げた。

今のマクラーレンホンダを見ている人には信じがたいと思いますが圧倒的な勝ち星を積み上げ、ホンダ=最速という称号が与えられていました。

2015年、ホンダはF1にエンジンサプライヤーとしてマクラーレンとタッグを組み、F1ファンは皆あの時のマクラーレンホンダが戻ってくると期待したものですが、結果は2年続けて鈍亀のお粗末なレースしかできていません。

あまりにもパワーがなさすぎて、ドライバーから「F2エンジン」とレース中に苦言を言われてしまい、ホンダ=遅いという認識が定着してしまったのも納得がいきます。

あの時のホンダの栄光は取り戻せるのでしょうか、そして企業としてレースに参戦する意味があるのでしょうか。

 

なぜ1988年はあれほど早かったのか

マクラーレンホンダ2016

現在のF1は空力を特に重要視していて、ダウンフォースを得るために空気の流れを効率的に受け止め、流す事が必要とされていて、非常に複雑なウィング形状をしています。

マクラーレンホンダ1988

1988年当時のF1マシンは見て分かる通り、その当時でも空力は考えられていたのですが、直線的で、現代のものと比べてそれほど効率的なものとは言えません。

その当時は空力も重要だが、とにかくエンジンパワーが大きければ大きいほど早いという時代でした。

ホンダはエンジン室力を上げる事に関しては他のチームよりもアドバンテージを持っており、信頼性もあったためリタイヤ率が低く、勝ち星を積み上げられたといえます。

言ってしまえば、当時のF1はエンジンさえ良ければ勝てたのです。

 

ホンダの技術力は低いのではないか

ホンダはエンジン開発能力は非常に高いのですが、2013年からの新レギュレーションで、エンジンとは呼ばず、パワーユニットと呼ぶようになりました。

これはERS(エネルギー・リカバリー・システム)の導入で、

(1)Turbo Charger(ターボ)…排気ガスで回転する風車(タービン)を使って空気をエンジン内に送り込む過給機
(2)MGU-H(エム・ジー・ユー・エイチ)…タービンが回る軸の回転を利用した発電機
(3)MGU-K(エム・ジー・ユー・ケー)…クランクシャフトの回転を利用した発電機
(4)ES(イーエス)…上記2つの発電機が発電した電気を蓄える電池

hondaF1

 簡単に言ってしまえば、小排気量のエンジンを他のシステムでパワーアップするという物で、近年の自動車のダウンサイジングと同じ思想で考えられています。
つまり、エンジンをパワーアップすること以外にも補助パワー発生装置の開発がF1を戦う上で非常に重要となっているのです。
2015年シーズン後半のテレビ中継でもホンダの新井総監督が「エンジンのマッピングが経験不足で難しい」と話をしていたのですが、ドライバーのコントロールではなく、あらかじめ各コース特性やドライバーの好みに合わせて事前にプログラムして1周で使えるパワーを分配しています。
つまり、パワーユニットのトータルパフォーマンスとドライバーだけでなく、チームとしての経験値が重要という訳です。

新型NSXのイメージダウンは免れない

F1は走る実験室と呼ばれており、レースで培われた技術は自動車開発にフィードバックされるのが常で、ホンダもレースに挑戦する意味はこれが理由のひとつです。

その他にも、企業としてのイメージ戦略という側面があります。

なぜ世界の人がホンダエンジンに良いイメージを持っているのか、それはF1で積み上げた優勝回数であり、そのイメージが脳裏に焼き付いているからです。

しかし、復帰後のホンダを見ていると、これまでの実績を食いつぶし、イメージダウンは免れないでしょう。

ホンダ=遅いというイメージが定着してきている今、それを払拭するのは勝つことだけです。

そんなイメージが下降線を辿っている今、ホンダがNSXを発売しました。

NSXより先にF1

唯一のスポーツカーとして発表されたのですが、技術力の低いF1で勝てないメーカーが出した車を2000万円以上も出して買えるでしょうか。

もちろん購入者はいるのでしょうが、昔の良いイメージを持っている人だけで、最近F1を見出した人は、「そんな金を出すならメルセデスやフェラーリがある」と考えるのが自然です。

この様に、企業イメージを失墜させたホンダF1は、参戦してはいけなかったのです。

過去の栄光だけで十分企業イメージを保てたのですから。

しかし、もうすでに時遅し、参戦してしまったのですから、やらなくてはいけないことは一つだけ、勝つことです。

「やはりホンダは底力がある」

と世間に周知させるためにも勝たなくてはならず、これは企業をあげて取り組むべき重要事項です。

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