【アミ姫】ありそうでなかった臭くない釣り餌が大ヒット

2017年9月8日

 

近年女性の視点からの商品が開発され、ヒット商品が社会に広まる中、釣りエサや釣り具の製造販売を手掛けるマルキユー(埼玉県桶川市)の女性プロジェクトチームが開発した海釣り用配合エサが人気を呼んでいる。

釣りをしたことがある人なら誰もが思うのが、釣りをしたあとの匂い。

あの生臭い匂いがあるだけで、帰路の途中でレストランに立ち寄ったりできず、車内は臭くなり、さらには家族にまで怪訝な目で見られた経験は無いだろうか。

しかも、坊主だったのにしっかりと匂いだけはついてしまうのだから、損をした気分にもなり、それが嫌で疑似餌を使うルアーフィッシングに転向する釣り人も多くいる。

しかし、それを言ったら釣りなんて出来ないとこれまで誰も考えず放置されてきた問題に、女性プロジェクトチームが立ち向かった。

 

臭くないフルーティーな香りの「アミ姫」が大ヒット

マルキューの女性プロジェクトチームが開発したのが、「サビキ釣り」のコマセ。サビキ釣りは、コマセを入れる小さなカゴと複数の針が付いた仕掛けを海に投げ入れるのだが、このコマセをかごに入れる時、臭い汁がでて、これが衣服などに付くと暫く匂いは取れない。

そこで開発されたのが「アミ姫」で、原料は、エビ状の生物「ツノナシオキアミ」(通称・アミエビ)を使用し、食品用の香料を配合しフルーティーな香りに仕上げた。

しかも、チューブタイプの容器に入っているため、手を汚さないと好評だ。

 

なぜ女性プロジェクトチームが発足したのか

女性の目線で「釣り人を増やす」というテーマを掲げ、女性社員12人でプロジェクトチームを立ち上げ、社内チームと社外チームに分かれ、社内外を対象にしたアンケート調査や海での実地調査などを行った結果、女性は釣りをあまりしない、男性に付き添って行ったとしても、餌を付けるのが嫌だというデータが上がる。

女性の声で最も多かった、匂いと餌の入れにくさ。これを解決しようとプロジェクトチームの奮闘が始まる。

 

「釣れる」は外せない商品開発

いくら匂いが無くなったとしても、釣れなくては本末転倒で、本来の釣りの楽しみすら奪ってしまう。

開発担当の高山恵美子さんは「一番苦労したのは、魚が良く釣れるようにエビの形をしっかりと残すこと。製造部門と何度も話し合い、試行錯誤を重ねた。臭いはフルーツ系を目指し、何種類もの素材の中からエビの臭いと相性の良い香りをみんなで選んだ」

約1年かけてようやく「アミ姫」が完成し、今年4月に発売すると、ネットや口コミで話題となり、注文が殺到し品薄の状態だ。

岡田信義社長は「女性の力を結集し、素晴らしい製品を作ってくれた。社長賞に値する」と称える。

 

これまで無かったマーケットに注目する

女性は釣りをしない。

これは固定概念であり、その市場を諦めていたのがこれまでのメーカーだったが、女性マーケットを掘り起こすために、何をしたら良いのかという素朴な問題を解決した事は非常に大きな功績といえるだろう。

女性プロジェクトチームは、「臭い」「入れづらい」この問題を掘り起こし、解決してみせた。

そしてこの大ヒットだ。

日本にはまだまだ市場が余っており、諦められていた市場があり、それを開拓しようとしていない分野がまだまだある。

マルキューの女性プロジェクトチームは日本企業の経営方針に一石を投じた結果となった。