【政府の矛盾】筋の通っていない加熱式タバコ増税

2017年11月3日

自民党の宮沢税制調査会長は、「(加熱式たばこは)紙巻きたばこに比べて、税率が低い。3社出している商品で、実効税率が違っている」と述べ、2018年度税制改正で加熱式タバコ増税を検討を示唆した。

政府の所謂「困った時のタバコ増税」は何故起こるのかを検証してみると実に面白い結果が見えてくる。

 

タバコを増税する理由

タバコの税率は約65%で、その販売額にかかわらず紙巻きたばこの本数あたりで決まっており、一律でその税率が適応される。

代表的なメビウスでみると、2016年4月1日時点で・1箱20本入で440円で、税額は277.47円であり、価格に占める日本の租税の割合は、消費税を含めて63.1%となる。

 

増税が容易な理由

税率が高い理由として、嗜好品であるということと、健康被害が主な理由としてあげられるが、つまり、誰もが必要とする食料品や衣料品とは違い、やってもやらなくても良いようなものであり、更に自分や他人の健康を害するものであり、メリットの非常に少ないものであるため、増税しても当事者以外が反対をしないという面が大きい。

実際にたばこ税を増税しても非喫煙者から文句が出ることは殆ど無い。

 

税収自体は減っていない

タバコの売上本数で見ると、1996年と2016年度を比べてみると半減しているが、税収自体は減るどころかこの20年間で殆ど変わっていない。

ガベージニュース

つまり、タバコの売上が減れば税金を上げ、税収だけは確保していたことになり、国の税収には一切関係ないことになる。

 

健康被害という大儀名文

値上げをすれば喫煙者が減るので、国民の健康維持の為に増税すると説明されているが、それが主目的であるとすれば、喫煙が原因とみられる病気の発生率が減っても当然だろう。

国立がん研究センターの発表によると、たしかに1990年代をピークに癌での死亡者数は減っており、タバコ増税による禁煙者が増えたことによる成果に見えるかもしれない。

しかし、これは全ての癌に対してのデータで、呼吸器系の癌だけのデータではない。呼吸器系の癌だけが下がっている、もしくは他の癌に比べて急激な下降を見せていればその効果も納得できるが、全ての癌が同じような減少カーブを描いているので、タバコが癌の原因で、喫煙によるガン発生・死亡のリスクが減るわけではないと見て取れる。

 受動喫煙による悪影響

喫煙者と同じ部屋にいた場合、喫煙者と同等の健康被害リスクがあると公然の事実として取り上げられているが、近年タバコは公共の場で吸うのは非常に厳しく規制され、昔は当たり前だった、電車・飛行機・タクシー車内、レストラン・会社内でも分煙もしくは禁煙が主流となっている。

この分煙・禁煙ブームが始まって20年ほど経っており、大多数である非喫煙者の環境がよくなっているのにも関わらず、癌の発生件数・死亡者数はほぼ変わっていない。

確かに喫煙者と同じ空間を共有するのは、酷なことであり、迷惑をかける可能性の高い喫煙者は、それなりの場所でタバコを楽しむべきだろうが、受動喫煙の健康被害は大きなリスクとはなっていない。

 

世界のタバコ価格と喫煙者率

それでも、日本人が大好きな「世界の流れ」という言葉に翻弄され、世界では禁煙があたりまえだとか、他の先進国はタバコの税率はもっと高いという声に後押しされ、毎年増税に踏み切っている。

増税を国民が望んでいるのはタバコ法税だけで、どれだけ嫌われているかが解るだろう。しかし、もしその声を反映するのであれば、煙草税率を他の先進国並みに上げるのが必然ではないだろうか。

各先進国のタバコ価格(マールボロ)と喫煙率

1位:ノルウェー・・・1,078円  *喫煙率・・・21%

2位:アイルランド・・・945円 *喫煙率・・・29%

3位:イギリス・・・750円 *喫煙率・・・21.5%

4位:フランス・・・617円 *喫煙率・・・26.2%

5位:オランダ・・・578円 *喫煙率・・・22.6%

6位:ドイツ・・・524円 *喫煙率・・・21.9%

7位:ベルギー・・・508円 *喫煙率・・・20.5%

8位:イタリア・・・500円 *喫煙率・・・23.3%

9位:スイス・・・492円 *喫煙率・・・20.4%

10位:オーストリア・・・469円 *喫煙率・・・23.2%

11位:日本・・・440円 *喫煙率・・・24.9%

日本人が大好きな言葉、「他の先進国」を見てみると、非常に高い税率を支払っているのにも関わらず、喫煙率は日本と大して変わらないし、それ以上のパーセンテージを見せている。タバコが高くなったとしてもやめる人はそれほどいない証明だ。

 

健康被害が理由なら今すぐ高税率にするべき

タバコ価格と喫煙率は無関係と分かったと思うが、喫煙者はよく考えて欲しい。

もし、明日タバコ価格が一箱1000円になったらどうするか?

禁煙を考える人がほとんどでは無いだろうか?これまでの価格の倍以上支払ってまでタバコを吸うのならと。

しかし、長年の愛煙家はよく考えて欲しい。30年前、当時のセブンイレブンの価格は200円程度だったが、400円以上する今、倍になっているが止められているだろうか?

当然タバコの煙を揺らしながらこの記事を読んでいるだろう。

つまり、その時倍になっているのと、徐々に倍に近づけるのとでは結果は同じであっても感じ方が違う。

この手法は、麻薬を売るディーラーと全く同じで、格安で慣れさせ、無ければならない程になった時に金額を釣り上げていく。

麻薬の売人よりたちが悪いのは、その手法に誰も文句を言わないし、賛同する人が多く、大手を振って依存者と税収を増やしていく。

 

加熱式タバコ増税の矛盾

iQOS(アイコス) 」「グロー」「プルームテック」といった加熱式タバコだが、副流煙の心配はまったくなく、主な健康被害をもたらすタールは一切排出されない。つまり非常に本人と周囲の人に良いもので、更に禁煙・節煙に成功したという人も出始め、ブームとなっており、誰もが幸せになれるものだろう。政府を除いて。

冒頭でお伝えしたとおり、加熱式タバコの増税を事実上予定している政府だが、なぜ最初から税率を取り決めなかったのだろうか?

これは、様子を見て、国民に支持されるようなら暫くマーケットを放置し、一気に税率を上げるという方法を取ったのと同じだ。

このまま加熱式タバコを放置しておけば、紙巻たばこの需要が減るのだから、税収が減るという事を事前に分かっていたのだろう。

これでは、政府が大義名分にしてきた健康被害を減らすための高税率が嘘だという証明になるだろう。今でさえ460円と紙巻きタバコと変わらない料金を支払っている人たちは、手軽だからと加熱式タバコから紙巻煙草に切り替える人も増えるだろう。

そうなった時、政府は国民の健康を守る為とは胸を張って言えなくなる。

こんな矛盾を許して、良いのだろうか?

愛煙家、いや愛加熱式タバコ家は何も悪いこと、迷惑をかけていないのだから、この政府の横暴に異を唱える権利があるのでは無いだろうか。